2026.10.02
古民家リノベーションで民泊を始める方法|許可・費用・成功事例を紹介
古民家リノベーションで民泊を始める方法|許可・費用・成功事例を紹介

古民家を活用した民泊ビジネスに興味はあるものの、許可の取り方や改修費用の見当がつかず、踏み出せずにいる方は少なくありません。
南木曽町では最大60万円の補助金制度が用意されているうえ、インバウンド需要の高まりも古民家民泊への追い風になっています。開業までのステップは多いように見えますが、全体像さえつかめれば一つひとつは難しくありません。
本記事では、開業に必要な許可の流れからリノベーション費用と収支の目安、実際の成功事例までを解説します。
古民家民泊が今注目される理由
近年、古民家を活用した民泊が、事業モデルとして注目を集めています。体験型の宿泊ニーズや一棟貸しの高い客単価、地域貢献との両立、インバウンド需要の拡大など、背景となる要因はひとつではありません。
ここでは、古民家民泊が注目されている4つの理由を解説します。
宿泊体験そのものが集客力になる
現代の旅行者が求めているのは「泊まる場所」ではなく「泊まる体験」です。古民家の雰囲気を活かした民泊は口コミやSNSで拡散されやすく、広告費をかけずに集客できる強みがあります。
なかでも太い梁や土間、建具が生み出す空間は、「泊まること自体」が目的になるほどの魅力を備えています。囲炉裏を囲んで食事をとり、縁側から朝の風景を眺め、木の香りに包まれて眠れるのは古民家ならではの体験です。
こうした「非日常感」がリピーターの獲得につながります。
一棟貸しで客単価と満足度が上がる
建物一棟をまるごと貸し出す「一棟貸し」は、古民家民泊でもっとも多いスタイルです。プライベート空間を確保できるため、家族連れやグループからの支持が高い傾向にあります。
宿泊単価は1泊2〜5万円と、部屋貸しより高めに設定できるのもメリットです。さらに宿泊者にとっても「自分たちだけの空間」は満足度に直結するため、高評価の口コミを得やすくなります。
古民家再生が地域貢献につながる
使われなくなった古民家を民泊として再生すれば、空き家問題の解消と新たな観光資源の創出を同時に実現できます。建物が宿泊施設として生まれ変わることで、地域の景観を守ることにもつながります。
経済面での波及効果も見逃せません。宿泊客が周辺の飲食店や土産物店を利用するほか、清掃・食材調達・アクティビティ案内といった業務を通じて、新たな雇用が生ます。
こうした社会的意義が評価され、自治体から補助金などの支援を受けやすいのもメリットです。
インバウンド需要が追い風になる
海外の旅行者にとって、伝統的な日本家屋での宿泊は日本文化を肌で感じられる貴重な体験です。訪日外国人の間でもこうした宿泊ニーズは年々高まっており、古民家民泊には大きな追い風が吹いています。
とりわけ南木曽町の妻籠宿は、国内外から多くの観光客が訪れる中山道の人気スポットです。外国人トレッカーの利用も増えており、「妻籠宿の周辺に泊まれる宿がほしい」という声は少なくありません。
こうしたインバウンド需要の受け皿として、古民家民泊には大きな可能性があります。南木曽町の歴史と立地を活かすことで、海外からの集客も十分に見込めるでしょう。
古民家民泊の始め方と許可の流れ

古民家で民泊を始めるには、物件選び・許可取得・改修計画・補助金申請といったステップを踏みます。どれも着手する順番とタイミングが重要で、順序を間違えると余計なコストや手戻りにつながりかねません。
ここでは、開業までの具体的な流れを解説します。
物件決定前に施工会社へ相談する
民泊事業で最初につまずきやすいのが、物件選びと改修費用のギャップです。物件を先に決めてから施工会社に相談した結果、改修費用が想定を大きく超えてしまうケースは珍しくありません。
そのため、物件を決める前の段階で、施工会社に相談することをおすすめします。なぜなら、建物の構造や状態を専門家に確認してもらうことで、改修コストを見積もったうえで購入の判断ができるためです。「この物件にしたい」と考えた段階で連絡をもらえれば、費用面で無理のない計画を一緒に立てられます。
物件の候補が見つかったら、施工会社と一緒に現地を確認しましょう。基礎や柱の状態、水回りの配管、電気設備の状況などを事前に把握しておけば、後から追加費用が膨らむリスクを抑えられます。
届出または許可の取得が必要
民泊を営業するには、住宅宿泊事業法(届出制)または旅館業法(許可制)のいずれかの手続きが必要です。制度によって営業日数の上限や手続きが異なるため、事業計画の段階でどちらを選ぶか決めておきましょう。
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項目 |
住宅宿泊事業法(届出制) |
旅館業法(許可制) |
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営業日数 |
年間180日が上限 |
制限なし(通年営業可) |
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建物の扱い |
「住宅」扱い |
「旅館・ホテル」扱い |
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用途変更の確認申請 |
不要 |
200㎡超の場合は必要 |
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手続き先 |
都道府県知事等へ届出 |
保健所へ許可申請 |
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手続き期間の目安 |
2週間〜1ヶ月程度 |
2〜3ヶ月程度 |
住宅宿泊事業法にもとづく民泊は、建築基準法上「住宅」扱いのため、面積にかかわらず用途変更の確認申請は不要です。開業には消防署で消防法令適合通知書を取得したうえで、都道府県知事等への届出を行います。
一方、旅館業法に基づく簡易宿所として営業すれば年間を通じた営業が可能です。ただし200㎡超の物件では用途変更の確認申請が必要となり、南木曽町を管轄する木曽合同庁舎(長野県木曽建設事務所)への書類提出が求められます。
2025年4月には建築基準法の改正(4号特例縮小・省エネ基準適合義務化等)が施行され、民泊を含む建物全般の安全基準が見直されました。届出前に最新の情報を保健所に確認してください。
これらをリノベーション工事と並行して手続きを進めておくと、開業までのスケジュールを短縮できるでしょう。
リノベーションとリフォームの違い
リフォームは劣化した部分を修繕して元の状態に戻すことで、リノベーションは建物に新たな価値を加えて用途や性能を引き上げることです。名前は似ていますが、目指すゴールが異なります。
民泊事業で求められるのは、原状回復ではなく宿泊施設としての魅力づくりです。梁や土間を活かしたデザイン、水回りの快適性向上、断熱・防音の強化など、宿泊者の満足度を高める改修がリノベーションにあたります。
集客力のある民泊をつくるなら、「泊まる価値がある空間」を意識して計画を立てましょう。この視点で改修すれば、宿泊単価を高めに設定しても予約が入りやすくなります。
補助金で最大60万円を活用できる
南木曽町には、古民家を改修して民泊を開業する方が使える補助金制度があります。
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空き家利活用推進補助金【改修補助金】 |
空き家利活用推進補助金【片付け補助金】 |
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補助額 |
対象経費の1/2(上限50万円) |
全額補助(上限10万円) |
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申請者 |
物件の利用者(買い手・借り手) |
物件の所有者(売り手・貸し手) |
改修補助金と片付け補助金は申請者が異なる点に注意してください。改修補助金は物件を購入・賃借する利用者側が、片付け補助金は物件を手放す所有者側がそれぞれ申請する仕組みです。
その申請手順は以下の5ステップです。
- 業者に相談する
- 見積もりを作成してもらう
- 南木曽町役場に申請する(着工前に必ず完了)
- 許諾後に着工する
- 工事前後の写真と書類を準備する
ここで注意すべきポイントは、「着工前に申請を済ませること」です。工事を始めてからでは補助金を受け取れないため、見積もりが出た段階ですぐに申請手続きを進めてください。
もうひとつの要件として、町内の施工業者に依頼する必要があります。三石建築をはじめとする地元の工務店であれば、補助金の申請サポートもあわせて相談可能です。
民泊の収支と事業計画の立て方

施工会社への相談は、物件を決める前に済ませておくのが鉄則です。物件を先に決めてしまうと、改修費用が想定を大きく超えたときに計画全体が崩れかねません。
ここでは、民泊の収支に関する基礎知識と、事業計画の立て方をご紹介します。
1泊1〜3万円×稼働率で収益を試算
古民家民泊の収益は「宿泊単価×稼働日数」で試算できます。宿泊単価は1泊2〜3万円が一般的で、一棟貸し・定員4〜6名なら1泊2万円前後の価格帯が多く見られます。
具体的な数字で見てみましょう。旅館業法の許可を取得し、1泊2万円、稼働率60%(年間219日)を想定した場合の収支は以下のとおりです。住宅宿泊事業法の届出で営業する場合は年間180日が上限のため、売上は最大360万円となります。
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項目 |
金額 |
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年間売上 |
約438万円 |
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運営コスト(管理費・光熱費・清掃費等) |
約200〜250万円 |
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年間利益 |
約200万円 |
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初期投資(リノベーション+許認可) |
510〜2,030万円 |
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投資回収の目安 |
約3〜8年(中間シナリオで約5年) |
南木曽町の補助金(改修補助金・上限50万円)を活用すれば初期投資を圧縮でき、回収期間の短縮にもつながります。この試算は必ず着工前に行ってください。投資回収の見通しが立たないまま工事を始めると、資金繰りが厳しくなるリスクがあります。
繁閑期と価格帯で差がつく3要素
民泊事業の収益は、宿泊単価と稼働率だけで決まるわけではありません。安定した経営を続けるには、「ターゲット設定」「価格帯の調整」「閑散期の対策」の3つを押さえておく必要があります。
ターゲットが曖昧なままだと、内装も設備も中途半端になりがちです。外国人トレッカー向けなのか、家族連れ向けなのかによって、必要な設備や写真の見せ方はまるで変わります。メインの客層は開業前に決めておきましょう。
また、価格帯は、季節に応じた調整が欠かせません。春の桜シーズンや秋の紅葉シーズンには単価を上げ、閑散期は割引プランや連泊割で稼働率を維持するのが有効です。
冬場の集客は多くの民泊オーナーが苦戦するポイントですが、南木曽町には「雪景色×囲炉裏体験」のような冬ならではの素材があります。寒さを弱みではなく体験価値に変えられれば、年間を通じた集客が見込めるでしょう。
三石建築が施工した古民家の事例
南木曽町の中山道沿いにある「雨中山道(ame nakasendo)」は、三石建築が手がけた築150年の古民家リノベーション事例です。
一棟貸しの宿泊施設とカフェ・ギャラリーを組み合わせた複合施設として営業しています。居住面積130㎡の空間に和室2室を備え、最大6名まで宿泊可能。カフェではアート展示やポップアップイベントも開催されており、地域の文化発信拠点となっています。
- 公式サイト:https://ame-nakasendo-nagiso.studio.site/
- 南木曽町観光協会の紹介ページ:https://nagiso.jp/topics/ame_nakasendo/
築150年の建物でも、用途に合わせた改修を行えば宿泊・飲食・展示と複数の機能を持たせられます。「住む」以外の活用を考えている方にとって、具体的な完成イメージの参考になる事例です。
古民家リノベーションのよくある質問

古民家民泊の開業を検討するなかで、多くの方が疑問に感じるポイントをまとめました。
古民家民泊の開業資金はいくらですか?
リノベーション費用500〜2,000万円(こだわりや規模によっては3,000万円以上も)に加え、許認可費用として10〜30万円程度が必要です。建物の状態や改修範囲によって金額の幅が大きいため、着工前に投資回収の見通しを立てておきましょう。
補助金は使えますか?
南木曽町では空き家利活用推進補助金【改修補助金】(対象経費の1/2、上限50万円・利用者向け)と【片付け補助金】(全額補助・上限10万円・所有者向け)があります。1つの物件に対して合計最大60万円の支援を受けられる可能性があります。いずれも着工前の申請が必須のため、見積もりを取る段階で南木曽町役場に問い合わせてください。
民泊の営業日数に制限はありますか?
住宅宿泊事業法に基づく届出の場合、年間180日が上限です。年間を通じて営業したい場合は旅館業法の許可が必要になるため、事業計画の段階でどちらの制度を使うか決めておきましょう。
まとめ:古民家民泊を始めるなら三石建築へ
古民家民泊を成功させるには、物件選びの段階から施工会社に相談し、許可手続き・収支計画・補助金申請を並行して進めることが大切です。インバウンド需要と補助金制度が整った今は、開業に適したタイミングといえるでしょう。
南木曽町での古民家民泊なら、昭和51年創業、木造住宅のリフォーム・新築で多数の施工実績を持つ三石建築にお任せください。対応エリアは長野県木曽郡(南木曽町・大桑村)と岐阜県中津川市・恵那市です。
物件探しから補助金申請、許可取得のサポート、施工まで一貫して対応いたします。「古民家で民泊を始めてみたい」と思ったら、まずはお気軽にお問い合わせください。


